** 本 の にっき **

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 墜落まで34分
#1997 書き込み者名 フランコ将軍 HomePage [2004/06/28 00:32]
「墜落まで34分(原題:Among the Heros)」
ジェレ・ロングマン(訳:原口まつ子) 光文社

以前掲示板の方に書いてしまいましたが、改めてこちらに。
あの9.11同時多発テロで、ペンシルベニア州シャンクスビルに墜落した、ユナイテッド航空(UA)93便の乗員乗客40人の物語です。
(掲示板で42人と書いたのは間違い)
9.11といえば、世界貿易センタービルに激突したアメリカン(AA)航空11便とUA175便や、ペンタゴンに突入したAA77便のハイジャックを誰もが思い浮かべるでしょう。
それに比べてこちらはあまりに知名度が低く、恥ずかしながら私も全くこの事件は知りませんでした。
しかし、乗客たちが飛行機をテロリストたちから奪還せんと懸命に立ち向かった事実が、ボイスレコーダー、そして犠牲者が電話で遺族と交わした最後の会話で明らかになり、アメリカ全土に大きな勇気を与えたそうです。
彼らの勇気によって、飛行機は当初の目的だったアメリカ政府の中枢でも住宅街でも工業地帯でもなく、誰もいない山林の中に墜落し、地上での犠牲者は一人もいませんでした。
(だから外国では知名度が低かったのかもしれないけど)

この本を読もうと思ったきっかけは、このハイジャックの犠牲者に捧げられた吹奏楽曲があり、作曲者が私のいる楽団の指揮者の友人で、指揮者から勧められて演奏することになったからでした。
この事件のことを全く知らなかったので調べてみようと思って読んだわけですが、読めば読むほど気が重くなりました。

隣の席の乗客から借りた携帯電話で、
「ママがこのことでずっと苦しむと思うと、自分が死ぬことよりもつらい」
という娘に対し、
「余計なことを考えないで。隣の人に手をつないでもらいなさい。」
と答えた母親。
「テロリストに目をつけられないよう、おとなしく座って!」
という電話の向こうの妻に対し、
「心配するな、みんなで何かをしでかしてやるぜ!」
と語った夫。
以前からこの日のフライトを休めと執拗に哀願してきた夫に対し、
「今からテロリストたちに熱湯ぶっかけて機を取り戻してやるわ。
無事に帰ってこれたら、もう仕事はやめるから。」
と、調理場から電話をしたスチュワーデス。

こんなやりとりを読むと、正直目を伏せたくなります。
「何かとんでもない曲選んでしまった、演奏できるんだろうか?」とも思いました。
でも、演奏するからにはこうした犠牲者たちのことを知り、彼らの、さらには遺族の思いを背負って(とても背負いきれるものではないけど)やらねばならない。
そう思って最後まで読みとおし、演奏のときも40人のことを思いながらやったつもりです。
ただ読むだけじゃなく、中に込められたこうした思いを知るということの大切さを思い知らせてくれた本です。
 シャンクスビルと吹奏楽 #2167 書き込み者 君島浩 [2006/04/17 16:48]
  シャンクスビルの死者は日本語報道では犠牲者と和訳されていますが、現地ではheros(英雄)です。この吹奏楽は恐らく賛美歌を編曲したもので、模範的なキリスト教徒を賛美するものだと思われます。ベートーベンの田園の曲名にもなったパストラール(牧歌)も賛美のテーマです。吹奏楽の題目の「勇気ある飛行」も英語は「勇気ある軍事飛行」の意味であり、兵士に相当する英雄的戦闘行為と讃えているものです。したがって、この吹奏楽は英雄を賛美するという調子で演奏すべきものと思いますが、コンテストで日本の審査員が減点する心配がありますね。彼らのおかげでホワイトハウス及び周辺の人が2000人ぐらい命拾いしたことになります。そしてその人達の家族がいかに英雄に感謝していることか。米国人の死生観、軍事常識、宗教常識を理解しないと、適切な演奏はできないことでしょう。和訳も問題ですね。


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