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 ある敗者の美学のすがた
#2132 書き込み者名 フランコ将軍 HomePage [2005/05/05 15:49]
「最後の御大将 平重衡 −義経が最も恐れた男−」  中津文彦 PHP文庫

今年の大河ドラマは「義経」ですが、いわばそのカタキ役を描いた本です。
清盛を失って屋台骨が揺らいだ平家は、坂道を転げるように地獄へと墜ちていきます。
嫡男の重盛が親より先立ってしまったことで、清盛の三男宗盛が平家の総帥となるものの、とうていその器にあらず。
そんな平家にあって、四男知盛とともに、滅び行く運命に懸命に抗ったのが、五男の重衡でした。
あの敦盛の悲劇で有名な神戸の須磨寺付近に、「平重衡 とらわれの松」というのがあります。
http://www.asahi-net.or.jp/~hh6k-kwbt/20010722.htm
5年前にこの地を訪れて以来、この人物に興味を持つようになり、大河ドラマと合わせて読んでみようと思ったわけでした。

重衡というと、どうしても東大寺や興福寺を焼き討ちにして、大仏まで焼き払ったという悪行ばかりが目に付きます。
ドラマではあっさり焼き討ちシーンが流されてしまったけど、この本ではそこに至る真相(!?)が詳しく描かれています。
義経が主役ということで、どうしてもこうした人物にはドラマではスポットが当たらなくなってしまいますが、父清盛、さらには宗盛や知盛といった兄たちとの絡みも見モノです。
また、敦盛や忠度はじめ、多くの平家の武将が討ち死にした一の谷の合戦で、なぜ重衡は死を選ばず生け捕りにされたのか?
これについての大胆な推理も興味深いです。
千手前との絡みや頼朝とのやりとりなど、平家物語での名場面もばっちり描かれています。
曽我兄弟に仇討ちされた工藤祐経が、重衡と酒を交わすシーンにも、もののふとしての心の通い合いが見てとれます

歴史にタラレバは禁句だけど、重盛がもっと長生きしていたら、平家の運命はもっと違ったものになっていたのに、と思う人は多いことでしょう。
もし清盛亡き後の総帥が宗盛ではなく重衡だったら・・・・・
軍事面は知盛に全権を与えて目の前の火の粉を消し、宗盛には朝廷・公家との折衝に専念させ、重衡は頼朝や藤原秀衡との天下三分の計を図るなんてこともあったのではないか?
なんてことを考えたりします。
そうはならなかったからこそ、後世の人の心を捉えるのかもしれないけどね。 
 重衡は、 #2134 書き込み者 瑠雨乃 [2005/05/09 10:25]
  私にとっても平家物語中、強く印象に残る人物でした。
とらわれの身となって鎌倉で頼朝と対面する場面や、処刑直前、妻をいたわる様子など、端々に器の大きさを感じ、
「平家、この人が仕切っていれば何とかなったんじゃないの!?」
と思っていたのですが、やはり、そう考えていたのは私だけではなかったのですね〜。
興味深い本です♪


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